恥ずかしながらこれまであまりにも無知だったのですが、この度消防の立ち入り検査で指摘されてしまいました。
事前通告があったのが1週間前かな、

消防の方消防の方

8月28日立入検査させてください。


後ろめたいことは何もしてないので

高橋高橋

どうぞー

ポカーンと立入検査を見守ってました。

消防の方消防の方

消火器見させていただいてもいいですか?

何もしていないですよ

高橋高橋

どうぞー

そう何もしていないのだ

その結果「何もしていない」という事が問題で、通告書をもらいました。
「消火器の定期的な点検と、その結果を3年に一度報告する」という法令の不履行です。

消防法というものは飲食店など火気を扱う店舗のものなのかなと思ったら、当教室も該当しておりました。
来店される人を火事などから守るためのものなので、確かに消防の管理下に無ければならないのかもしれませんね。

無知というのは一番まずいことですね。
悪意はないのに悪い結果をもたらしてしまうことがある。
反省しなければいけないな。

山形パソコン教室はオープンから6年目を迎えておりますが、元々あった消火器の点検をしたことありませんでした・・・
まず避難口がすぐ近くであることと、火の気がない為に無頓着だったのです。

消火器の製造年を見ると2005年で使用期限を見ると2013年ではないか!
今は2018年8月か、これはまずいという事で、すぐに楽天で3000円の消火器を購入しました。

こちらです⇒おすすめの消火器
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今回2018年8月28日、山形市消防本部西消防署本書から立ち入り検査時に指摘されたのは、消防法第17条の3の3についてで、

消防の方消防の方

消火器は有資格者による点検が必要で、それには費用が掛かるために、大家さんと相談してください


との事でした。

そういえば2014年ころに大家さんから声をかけられ「消防の人が点検に行くから」というのを覚えてる。前回は大家さんが気を利かせてくれてやってくれたのかな?
その時は消防署の人が来てくれて、ただ店内と消火器を見ただけだったな~という記憶があります。
おそらくあの点検が「有資格者による点検」だったのか。でも消火器内部の点検してなかったぞ??

今回は消防署が私に直接来たので、大家さんには迷惑をかけないように自分で何とかしてみようかと思い、いろいろ調べてみました。
有資格者による点検はとにかく費用がかかる。立入検査に来た署員は消防副士長とその上司で、その方々が「有資格者の点検が必要」と言ったからには今回の出費は避けられないのかと思い、どのくらい費用がかかるのかを調べましたが・・・

意外にも簡単に自分でできるじゃないか、という記事をチラホラ見つけることができました。
一番最初に参考にしたのははこちらの方のサイトです↓
https://lawtray.blog.so-net.ne.jp/2015-08-19-1

消防法第17条の3の3は以下のようになっています。

第17条第1項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第8条の2の2第1項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

難しくてよくわからないかもしれませんが、解りやすくまとまっていたのがこちらです。
http://www.chirika.co.jp/dcms_media/other/check_shoubosetsubi.pdf
消えていた場合はこちら↓
消防用設備等の点検について

つまり消防法第17条の3の3の条文「その他のものにあっては自ら点検し」というところに、当教室が該当するのです上PDFの表では【16(ロ)】です。
黄色くなっていないので非特定防火対象物。3年に1度の報告義務です(点検は1年に1度)

今回購入した消火器は蓄圧式なので、5年間は無資格者でも目視点検で済んでしまう決まりですね。

5年ごとに3000円の消火器買えば、自分で完結するじゃないかー!!
ヤター\(^o^)/

ということで今回の立入検査結果通知書に対する改修報告書と、8月31日にアマゾンから消火器が届いたので同日付の消防用設備の点検報告書を作って、同日夜に郵送いたしました。

実質ここの3日間の段階でめでたしめでたしで終了なのでしたが・・・

ここからです。


9月12日に山形市西消防署のT副士長から電話をいただきました。
改修報告書と点検報告書を受け取ったのと事でした。

そして質問されました

消防の方消防の方

これはどなたが点検されたのですか?


高橋高橋

私がしました


消防の方消防の方

有資格者ではないと点検できませんよ


高橋高橋

新品を買いましたので有資格者でなくても問題ないのでは?


消防の方消防の方

消火器はいいんですが、有資格者の点検が必要です


高橋高橋

???


あれ朝ごはん食べたし、ちゃんと起きてるはずだ・・・
これは夢なのか?理解できないぞ?

高橋高橋

点検するものが他にないのですが?


消防の方消防の方

有資格者でないのはまずいんですよね~


消防の方消防の方

お時間を頂き説明に上がります、こちらのいただいた改修報告書と点検報告書の副本も保管してもらわないといけないので、それも持って伺います


高橋高橋

そうですか、わかりました

一旦予定をとって話は終了しました。


うーむあの改修報告書で完了のはずだから、終わった事に時間を割くのは無駄だと思い直し、改めて消防法第17条の3の3を熟読してから電話をしました。

高橋高橋

こちらとしては消防法第17条の3の3の義務は果たしたと思うのですが?問題ありますか?


消防の方消防の方

無いです


高橋高橋

???

なるほど、確信的な質問でないと相手は折れないんですね。うむうむ勉強になります。

消防の方消防の方

でも、こちらの受領印を押した副本は保管しててもらう必要があるので伺います


面倒な話を聞きたくないので

高橋高橋

郵送して頂くか、それが無理なら取りに行きます


消防の方消防の方

それではいつ頃来られますか?何時ころ来られますか?


やたらと来署のタイミングを聞きたがる様子から察して、書類を受け取るだけではなさそうな雰囲気がプンプンです。
とりあえず法的に問題ないと言われたので、これで一件落着かと思いきや・・・


6日後の9月18日に再度電話を頂きました。

消防の方消防の方

いつ頃取りに来られますか


高橋高橋

忙しくて今の所は未定です


消防の方消防の方

前回の改修報告書と点検報告書の件ですが、今回はいいのですが、1年に1回消火器の内部点検が必要なのです


高橋高橋

え?それは製造から5年を超えた場合ですよね?


消防の方消防の方

それは消火器に書いてあることですよね?


高橋高橋

決まりでは5年を超えた場合となっているはずですが?


この段階で副士長では理解できていないようで、副士長の上司に代わる

消防の方消防の方

点検と維持は別で・・・1年に一度点検の必要があります。


高橋高橋

え?毎年有資格者から消火器バラして点検してもらう必要があるのですか?


消防の方消防の方

はいそうです


高橋高橋

そうであれば毎年新しい消火器買いますが、それでも駄目なんですか?


消防の方消防の方

はいそうです

そんなはずはない、これはもう言葉が見つからない。
逆にどこかしらに1年に1回の内部点検が必要である旨が載ってあるのかなと思い、聞いてみました。

高橋高橋

それはどこかの条項に書いてあるのですか?教えて頂きたいのですが


相手のドキっとした心拍音が聞こえた気がしました。

消防の方消防の方

えー・・・消防法よりもっと細かい通知で平成16年12月1日の消防予230号にありまして・・・


高橋高橋

分かりました調べてみます。調べましたらお電話差し上げます。


一旦電話を切り、早速「消防予230号」を調べてみたら全く的外れなことが書いてあった。
良く調べたら「平成22年12月22日の557号」に「消防用設備等の点検要領の一部改正について」にしっかり「5年を超える場合」と記載があった!
やはり私の認識で間違っていなかった。\(^o^)/

明日にでも電話しようと思っていたら、1時間30分後に消防から電話が来まして

消防の方消防の方

先ほどの件だったのですが、もう少し調べましてから改めてご連絡します


との事。

高橋高橋

230号ではなくて557号ですよね?


と確認してみると

消防の方消防の方

先ほどの指導に不手際がありすいません、改めてお電話いたしますので・・・


高橋高橋

そうですか、お願いします。


557号については全くピンと来ていなかった模様。
とりあえず改めて電話を頂くことに。


訓練や昇進試験やらで大変だと思うけど、今そこにある案件なのだから、相手を詰める為にも自分を守るためにも調べないといけないでしょ。
結局また1時間後に電話を頂き

消防の方消防の方

受理したいと思います


との事でした。
翌日に当教室まで来店されて、若干低姿勢に副本を持ってきてくれました。

これで終了です。


今回のは担当の方とその上司があまりにも消防法に疎かったという事なのか、それとも山形市の西消防署のエリアでは、私のように消火設備の点検報告を自分で完結すしようとする人がいなかったから、5年未満の蓄圧式消火器点検には有資格者が必要無いのに、点検業務を有資格者にさせて費用を発生させるのが通例となっていたのでしょう。
自分で調べることをしないのは大変危険なことですね。

総括

  • 消防法第17条の3の3により、消防用設備等を設置しているところの管理者は定期的に設備を点検し、報告する義務がある

  • 消防法施行規則第31条の6第3項1号、2号により、私のような非特定防火対象物は定期的に行った点検結果を3年に1度報告する

  • 消防法施行令第36条第2項により、当施設は非防火対象物消火器(16ロ)なので、消防法第17条の3の3の「その他のもの」にあたり、自分で点検、報告できる

  • 消防予第557号 平成22年12月22日(消防用設備等の点検要領)により、今回購入した3000円の蓄圧式消火器は製造から5年未満であり、目視点検で異常が無ければ内部点検の必要無し

  • 消防法施行規則第31条の6・平成16年消防告示第9号により、消防法点検期間は消火器は6カ月に1回、総合点検は1年に1回の必要あり

約20日ほど余計に時間使いましたが、消防に対して全くの無知の私がここまで知識が付きました。
消火器も新しくなり、お客様を守る義務は自分にあるというのを再確認することができたので、結果的には良かったものと思っています。

自治体によっては、公式に「自分で報告できます!」という説明のホームページを公開しているところもあります。
お隣の仙台ではそのようです。すごく親切ですね。(自分で消火器の点検と報告書を作るのならここを参考にしてもよさそうです)
仙台

これは2018年9月時点での消防庁からのガイドです↓
消火器点検1

消火器点検2

消火器点検3

消火器点検4

消防用設備等点検結果報告書のダウンロードはこちら
手書きの方は⇒PDF
wordで作りたい方は⇒点検結果報告書 点検結果総括表 点検者一覧表 消火器具

情報を集めたのは全てインターネットです。
消防署員が消防法を調べるのに2時間30分かかるところを、インターネットでは5分で調べることができました。(消防予230号のくだり)

ひと昔、ふた昔なら図書館で調べるか、書店で専門書を買い漁る等しないと理解できなかったことが、今はいとも簡単に一歩も外に出ずに情報を入手できるいい時代になりました。
やはり道具は使いようですね。

もう少しで山形パソコン教室では子供向けのプログラミングの講習を始める予定ですが、プログラミングの本質は「論理的思考」を身に付けることが目的です。

プログラミングは義務教育に組み込まれるのが決まっていますが、この「論理的思考」というのは、今回のように「どんな問題」があってそれを解決するには「何」が「必要」で「何」を「調べて」「どのように」「解決」までたどり着く。といった処理を整然と冷静に取り組むことが出来るようになる為だと思っています。

意外にもプログラミングは生きていく中ですごく身近にあるものなので、義務化するのは大変理に適っているものなのだと感じました。

追記
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私の教室は床面積が50㎡未満の物件なので、もしかして・・・・
消防法上では消火器の設置義務自体が無いのでは・・・という可能性が出てきてますが
安全はすべてに優先するので消火器の維持管理はするでしょ